2016年8月13日土曜日

本の紹介『キリハラキリコ』

不思議な世界にハマりこむ。

というよりは、

不可思議な世界観に巻き込まれる。


今回は
キリハラキリコ
(紺野キリフキ 小学館文庫)
の不可思議ワールドです。


さて、とりあえず
あらすじをかいつまんで。


うその2年7組に登校してしまう。
ロボットの愚痴を聞く。
贋作マンガを楽しむ。
暦をめくる男。
ヅラ判定が得意な男。
心のすね毛が見える男。



羅列すればするほど、
紹介してる私自身が首を傾げてしまいます。


おもしろいのか?
これ…



そう感じていただけたのなら、
この小説をきっと楽しむことができるはずです。

主人公キリコの周囲に起こることは
現実あり得ないことばかりです。

でも、
キリコはそれを当り前のことと受け入れて語るものだから、
「あぁたしかに」
と妙に納得してしまいます。


「こんなヒトがきたら、こう言っちゃうだろうな」
とか
「こんなことになったら、こうしちゃうだろうな」
とか。


はたと気づかされます。
理不尽不可思議不条理

「けっきょくは現実の延長じゃないか」
って。


気づかされましたけど、
気づかないふりして読み続けました。


現実社会の光と影を
物語の中から読み取るより、
著者の描く
理不尽と不可思議と不条理な世界を満喫したいから。



理不尽を受け入れられたら、世の中楽しそう。



理不尽を受け入れるってのは、
けっして
諦めて、流されることじゃありません。

怒るときは怒るし、楽しむときは楽しむ。
目の前に起こった出来事を拒否らないってことです。



キリコの書く日記は一年で終わります。
終わらせ方も半端だし、
キリコを取り巻く世界がどうなっていくのか、
なんて想像すらさせてもらえません。


だから、ループします。
もう一度日記の初日から読みます。

一年が終わったら、また。


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