2016年6月15日水曜日

『おともだちロボ チョコ』と『少年と魔法のロボット』

ロボットとニンゲンとの境目ってなんだ?

AIの暴走とか、
いずれは肉体労働の仕事はなくなるだとか。


ロボットSFの巨匠アイザック・アシモフが予言した未来が訪れようとしてる!
のでしょうか?


さて、今回ご紹介するのは
『おともだちロボ チョコ』
(入間人間・電撃文庫)
です。


舞台は一つ未来の世紀末。

肉体改造ができて、
火星に移住ができて、
巨大生物が街を襲い、
乗り込み型のヒト型ロボットで戦います。

主人公の少女は戦闘ロボの研修生です。
理不尽で、超自然で、圧倒的な死への恐怖と戦い続けるニンゲンです。

彼女のもとにニンゲンそのモノのロボット少女(?)が現れます。
無感情で、無機質で、無慈悲なロボット少女は
主人公とおともだちになろうとしてきます。

「おともだち」について論理的に説明することは困難です。
いろんな矛盾をはらんでるし、
表裏一体の気持ちや感情の揺らぎを条件付けして、
二択の樹形図にしたってなんら意味ないことだし。

結果、
二人はおともだちになれたんでしょうか。

この小説で象徴的なのは
「ロボットはロボットである」 
ということ。

ニンゲンはロボットに、勝手にニンゲン性を求めるってこと。
犬に服を着せるのも、
ロボットに感情があるって信じることも、
自分と同じニンゲンであると思い込みたい
ニンゲンの欲求でしかないということ。

ニンゲンは同じニンゲンでないと
とかく不安なんでしょうね。



そして、
『少年と魔法のロボット』
(40mP Feat. GUMI)

ボカロ発信のNHKの『みんなのうた』でも流れてた曲ですね。
たまの作ったPVも可愛くて大好きです。

そこで歌われてるロボット少女は
主人公のニンゲン少年の心を歌います。

機械的に?

いえ、
少年の心を一生懸命に歌い上げます。

不器用に。
拙くとも。

大人になった主人公に、いつか忘れ去られたとしても。

やさしいロボット少女は
大人になって疲れたニンゲン少年を癒します。

「歌声、聞こえてますか?」

尋ねるのは、希望や不安を抱えてるからです。
それを心と呼ばずして、なんて表現すればいいでしょう。


ロボットが心をもったらニンゲンになれるのでしょうか。
すでに思考はニンゲンの特権ではありません。
ロボットが壊れることは、ニンゲンが死ぬことと同意でしょうか。

無機質なロボットと感情をもつロボット。

いったいどちらの未来が待ってるのでしょうか。

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