2016年7月1日金曜日

本の紹介『多重人格探偵サイコ』

約20年の歳月が経ちました。

なにが?

多重人格探偵サイコ
(原作 大塚英志/作画 田島昭宇  角川書店)
の連載期間です。

今月、
最終24巻が出ました。


大塚英志
民俗学や社会学、サブカルチャー論といった分野で
数々の執筆をしていました。

社会的にタブーであろう事柄に
あえて踏み込んでいく姿勢。

臭いものに蓋をすればいい!
ってもんじゃない。
そう教えてくれたのは大塚教授の書籍です。

そして、
多重人格探偵サイコ』のさらなる魅力は
田島昭宇の絵です。

田島昭宇の描く死はあまりにも美麗で、
恐怖に震えながらも目を逸らせませんでした。


導入部に出てくる
主人公の恋人の女性。
あまりにも衝撃的なシーンです。


新興宗教
疑似人格
バーコード
集団自殺
スペア

そんな裏社会的なキーワード。
もしかしたら、
管理社会ってのはこういうものなのか?
と殺人以外の現実社会にも恐怖を感じました。



連載開始は1997年。
日本中を震撼させた『酒鬼薔薇事件』の起こった年でした。

猟奇殺人
多重人格
プロファイリング

刑事事件が様変わりしていったのが、
このあたりだったと記憶してます。



日本の各地で有害図書指定受けたってのも、
半ば納得できます。

実際、
これが本棚に並んでて、
自分がなにかしらの事件を起こしたら、

ニュースで取り上げられたことでしょう。


反社会的事件の際に必ず取り上げられる
マンガだったりビデオだったり。

べつに容疑者を擁護するつもりは毛頭ありません。
でも正直、
そんな取り上げ方をするワイドショーなんかを見るたびに
「〇〇殺人事件」といった表題の
大御所作家の文庫が並んだ棚ってどうなの?
と疑問でした。


「有名作家なら著作の中でヒトを殺してもいいのか?
 有害図書にならないのか?」



20年の歳月を経ても未だ疑問です。



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